鍼灸を世界に広げたい思いと裏腹に…無料で施術をするということについて考えた

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「日本の鍼灸を世界に」と思って、世界に出たものの、途中、自分の心の中の疑問符にさえ答えられなかった瞬間がありました。

フィリピンの英語学校にいた頃、ちょうど5月で自分の誕生日がありました。

たまたま何かの拍子にマンツーマンクラスの20代の若い女性の先生に「明日は誕生日なんですよ」と言ったら、翌日、小さなケーキをプレゼントに持って来て下さいました。

以前から鍼灸に興味があると仰っていたので、鍼の施術をお返しにさせて頂くことにしました。

フィリピンにはマッサージ店や、路上のマッサージ師はたくさんいますが、まだ鍼灸というのはメジャーではないようです。

それにマッサージは300円くらいから受けれるのに、鍼治療となるとその10倍の料金はすると思うので、だいぶ高価なものと想像されます(ちなみに先生方のお給料は月給3万円前後と聞いています。3万円は高給取りです)。

先生も大興奮で喜んでくれていました。

こちらとしても、他の国の人に施術をさせて貰える機会を得ることができて、光栄だと思いました。
肩と腕に簡単な施術を終えて、先生が言った言葉は「”タダで”、鍼治療を受けた。やった〜。タダだ、タダだ!」

その時に、とても複雑な気持ちになりました。

「治療の効果ウンヌンよりも”タダ”で受けたということが先に来るんだ。そういうものかな…」と。

しかし、まぁ誕生日プレゼントのお返しということで、喜んで貰えたからそれは良しとしました。

翌日、何人かの先生にこう聞かれました。

「あなたは鍼灸師なのよね? “タダで”、治療をして貰えるって本当? 私も腰が痛いの」。

他にも

「僕も肩こりがある。”タダで”やってくれるんだってね」と。

「まぁそのうち…」というような返事をしておきました。

何か腑に落ちないものがあって、施術をする気になれなかったのです。

「日本だったら、無料で施術はしない。お代を頂いて施術をする。他の国に来たからと言って、無料でやっていいのだろうか? 」

お代を頂いて、施術をしていたクライアントさんに申し訳ないと思ったのです。

それに、施術の価値というより、無料でやってもらうことに重きを置いているように聞こえたのが納得いきませんでした。

もしかしたら、あの時、あの何人かの先生に施術をしたら、とても勉強になったかもしれません。少なくとも英語の勉強にはなったかもしれません。
先生のつながりで良い出会いもあったのかもしれない。

けれど、あの時の気持ちではできなかったな、やっぱり…。
心が狭いと思われてしまうかもしれないけど…。

後に、オーストリアのマッサージ学校時代に、引率の先生と一緒にシニアのラグビーチームの大会に行き、グラウンド脇にテントを張って、身体の大きいおじさんたちを10分ほどずつ、半日、マッサージし続けるという活動に参加しました。

その時に先生が置いたチップボックスがあって、ほとんどのおじさんたちはそのボックスにお金を入れていました。

フィリピンでもこうすべきだったんだと後で思いました。

(2015年5月 フィリピンでの出来事)

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